自宅の金庫から古い預金通帳とカードが出て来ました。支店名などを頼りに記憶の糸をたどると、大学卒業前にその銀行への就職が決まった同窓の友人から頼まれて開設したものらしいとわかりました。
自宅や当社の近くにはその銀行の支店や営業所はなく、ATMも未整備な時代ですから、使わずに眠っていたもののようで、解約しようと間を見て都心にあるその銀行の支店を尋ねました。
長く待たされ、ようやく順番が来て事情を説明し、解約を申し出ると、またまた長時間またされました。挙句の果てに、現時点では当行に榎戸正人名の口座はありませんと言う…!
目の前に解約された形跡のない通帳とカードがあるのに、今は口座は無いとは、どういうことなのでしょう?何年か前に、M銀行とS銀行が合併した際に、M銀行ですでに長く使われず、休眠口座となっていた私の口座のデータが、合併後の新銀行のデータに引き継がれなかったようです。
紙の台帳をコンピュータ化する際に大量の漏れが生じた、消えた年金問題と同じことが、民間の、それも信用を重視しなくてはならない金融機関で起きたのです。通帳とカードのコピーを預かり、詳しく調査すると言っていましたが、もし調査しても判明しなかった場合、どのように抗議したら良いのでしょう。同時に、顧客のデータを大切にすることの重要性を肌で感じた事件でした。