6月28日の日曜日、午後1時半から新宿のオゾンで「木ってどんなもの?」と言うテーマで講演して欲しいと、日本インテリアコーディネーター協会からの依頼がありました。
一般消費者も対象とした講演は久しぶりで、皆さんに木のことを知ってもらう良い機会だと思う反面、そもそも自分自身が「木とは何か?」なんて、真剣に考えたこともなく過ごしていたことに気付かされました。
魚屋さんに行って「魚、下さい!」と言う人はいません。寿司屋で「魚、握ってくれ!」と言う客もいません。「サンマ下さい」、「アジを握ってくれ」と、魚の種類を指定して注文します。
しかし、木材の場合、住宅展示場に行っても「木造住宅」としか書かれていないし、案内してくれる住宅メーカーの営業の人に「この家の柱には、何の木が使われているのですか?」と質問しても、答えられる担当者は少ないでしょう。とにかく、「木」を使って建てれば「木造住宅」なのです。そもそも、家を買う人、建てる人たちも、木の種類まで指定することは滅多にありません。
これが、国産材が衰退した、大きな理由だと思います。梅雨から夏に高温多湿となる日本で、本当に長持ちし、快適に過ごせる家を建てようと思えば国産材を使うことが必要で、腐りやすい樹種なら防腐処理をすれば良い、シロアリに弱い樹種なら防蟻処理をすれば良いと言うことで、外材がシェアを伸ばしてしまったことは、大きな間違いだったと思いますし、我々、木材業界で働く人間も、売れれば良い、儲かれば良いと、大量に扱える外材に走ったことは、大きな反省点だと思います。
当社は国産材の中でもスギにこだわり、スギの中でも千葉県産の山武スギにこだわった商売をしています。講演では、そこに至った理由を説明していきたいと考えています。