策士、アッ官兵衛
林材新聞と言う木材業界紙に、平成8年から18年間に渡って「辛口の酒」というタイトルでコラムを連載して来ました。
しかし、林材新聞が今年、平成26年の3月末をもって廃刊となってしまい、長年続いたコラムも打ち切りとなりました。
それを惜しんで九州の地方紙、ザイモク新聞が当社の新聞で連載を続けて欲しいと言うので快諾し、月に1度ではあるがコラムの連載を続けています。
しかし、ザイモク新聞は九州の地方紙で、他の都道府県の木材関係者に読者は殆どいない。そこで、全国誰でも読めるように当社のブログにもコラムを書くことにしました。ザイモク新聞とは別の内容での掲載です。
さて、NHKの大河ドラマも佳境に入り、いよいよ軍師、官兵衛の活躍で秀吉の天下取りが始まります。秀吉だけでは天下人にはなれなかったに違いないでしょう。卓越した知略を持つ有能な軍師がいてこそ、上に立つ者は力を発揮できるのだと思います。
アメリカでは政治家も大企業の経営者もアドバイザーを抱える人は多いのに、日本の場合、自らの能力を過信しているのか、脇に助言者を置く人はあまりいません。軍師や策士などアッカンベーというところでしょうか。もっとも、軍師というと知恵者と言うイメージですが、策士というと人をだます詐欺師みたいな印象で、身近にいて欲しくないかも知れませんが。
天下泰平ならそれでも良いでしょうが、今のように激動の時代では自分1人の判断では道を間違える可能性が高いと思われます。やはり、忠告や意見を述べてくれる人は必要でしょう。
木材業界も20年、30年ほど前まではそれ以前と同じことをしていれば会社は安泰でした。しかし、それ以後は流通も変わり、木材に求められるものも変わり、それまで売れていた商品が売れなくなってきました。
では、どうすれば事態を打開できるのでしょうか?皆、暗中模索の中で会社経営をしていますが、中小零細の業者は後を継ぐ子供がいても、こんな将来性のない業界には来るなと、自分の代で店を畳む経営者が少なくありません。東京新木場の木材業者の数も40年程前の移転当時に比べ、数分の1になってしまいました。
当社は長男が後をついでくれましたが、今までの材木屋の発想ではこれからの時代は生き残れまいと、材木を仕入れ、削るなどの加工をして販売する従来の商売とは別に、新社長には全く新しい発想のビジネスに挑戦してもらっています。それについては次回、書きます。