6年前入社してからずっと、ウチの会社に来てもらうのがとても嫌でした。
同業異業、様々な会で知り合った人が会社に来てくださっても、恥ずかしい気持ちでいっぱいでした。
2年前にレーザー加工を始めてからも、外で知り合った人と話が盛り上がって、「今度遊びにいってもいいですか?」と聞かれると、決まって言葉に詰まっていました。
。
。
。
。
事務所も倉庫も文字通りのゴミ屋敷でした。
全く整理されていない書類の山。
ダンボールに入った20年以上前の外国の缶ジュース。
ロッカーや使っていない事務机の引き出しの中は、500年分はあるであろう帳簿用紙、事務用品、消耗品、錆びたクリップ、出ないボールペン、送られてきたDM、紙類がぎっしり。
封筒の郵便番号の枠は5ケタ。
空の売上伝票の日付記入欄は昭和。
使っていない開かず金庫の中身は、いらない書類書類書類。
事務所内の会話や電話の音で会話できない応接スペース。
何十年も敷きっぱなしの絨毯。
ホコリごとワックスの上塗りを重ねた事務所の床。
本屋か、ってくらいの雑誌のバックナンバーの山。
ネズミがかじったドングリの殻とホコリにまみれ、10年以上積み上がったままの不良在庫が半分以上を占める倉庫。
空いているスペースにぎゅうぎゅうに押し込んで、開かない道具箱。
何十年も掃除しておらず、丸ノコと壁の間に砂丘のように積み上がったおがくずの山。
書いても書いても書ききれないくらいの凄まじさでした。
本当に恥ずかしくて、誰にも来てほしくなかったです。
どこから手をつけていいかわからず、一人途方に暮れていました。
。
。
。
そして今、
去年の秋から、少しずつ少しずつ片付けて、ようやく終わりが見えてきました。
全て社員さんのおかげです。
特に、希望を胸に入社してきた新入社員のあっちゃんに、途方もないゴミ屋敷の片付けを業務としてお願いするのは、本当に心苦しかったです。
こんなことをさせるために、会社に入ってもらったんじゃないのに。。
でも、臭い物にフタをして新しいことに取り組んでも、いつかどこかで崩壊する。
今だけ我慢してほしい。
どこまで伝えられたかはわかりませんが、本当に頑張ってくれて、ようやく終わりが見えるところまできました。
ベテランの森田さんも、長年の思い入れがあるものの売却や処分に理解を示してくれました。
その頑張りや理解に、ワクワクする未来図で応えられる、立派な経営者にならなくちゃ!と心から思います。
そして、事務所の改装ももうすぐ工事は完了します。
でも、ここからが本当のスタート。
ステキに作ってもらった「器」に、僕ら社員がこれから中身を注いでいきます。
備品の設置、配置はもちろんのこと、来てくださる方々をもてなす「心」も大事にしながら、物心両面これから作り上げていこうと思います。
榎戸材木店は、来年で創業100年を迎えます。
そこからまた一歩を刻むため、しっかりと土台づくりをする毎日。
ほんの少し前まで、恥ずかしくて来てほしくないと思っていた場所が、今、少しずつ、一人でも多く方々に遊びに来てほしいと思える場所に変わりつつあります。