先日、千葉に古民家付きの土地を購入しました。
理由はいくつかあるのですが、そのうちの1つは「回帰」でした。
榎戸材木店では数年前から千葉の杉を扱い始めましたが、いつからか1つの疑問がふと頭の片隅をよぎるようになりました。
それは、
「はたして自分は杉を”いのち”として見ているのだろうか。」
ということ。
木材をビジネスとして考えるとき、杉がいのちあるものということを忘れていないだろうか。
工業製品をライバルであると考えるとき、杉がいのちあるものということを忘れていないだろうか。
売上を気にするとき、
納期に追われているとき、
杉を単なる”素材”と考えて、杉がいのちあるものということを忘れていないだろうか。
そんなことが頭をかすめる度、
いったい何のためにやっているのか、
この先どこを目指すのか、
なんだかよくわからなくなりました。
数年前に木材市場や製材所で見た、今の日本の山の現状に衝撃を受け、
お借りしたいのちを無駄なく使いたいと思った。
それが杉を扱い始めた理由だったはず。
森のいのちをお借りして暮らすこと。
それが古来からの人と自然との付き合い方だったはず。
自然の中に身を置くことで、
人が自然と共生する世界に触れること。
全てが調和する世界に触れること。
そんなことを目標に、「回帰」してみようと思いました。
榎戸材木店のスローガンは「山へ かえろう、山へ かえそう。」
今より純粋だったあの頃の気持ちを思い出して、
もう一度「いのち」を、自分の軸に。